「ロスジェネの逆襲」池井戸潤(書評)

「世の中の客商売で、自分たちの都合を言い訳にしてるのは銀行だけですよ」世間から見れば「非常識」としか言いようのない「銀行の常識」をこれでもかというくらいに並べ立て、主人公らの手によってその卑劣さ、身勝手さ、馬鹿らしさをこき下ろし、徹底的に叩き潰す痛快なストーリー。元銀行員である作者の「銀行の組織体質」や「銀行員の習性」といったものに対する嫌悪感がこれまでの作品以上に詰め込まれていた気がする。