「小説に書けなかった自伝」新田次郎(書評)

小説に書けなかった自伝 (新潮文庫)

小説に書けなかった自伝 (新潮文庫)

    大御所作家、新田次郎の自伝。知らなかったけど、長い間気象庁に勤めながらの執筆活動だったそうだ。

    その事実が示すとおり人間としては「普通」の部類に入る人のようで、氏の小説に比べれば面白さはまるで足りないが、作家という仕事の具体的な進め方についての記述が興味深かったり、何より個々の作品がその手掛けられた背景と合わせて自伝の一部として登場してきて読書欲をそそるので「読みたい本」リストに多数追加してしまった。

    ちなみに、過去に読んだ中では「武田勝頼」が一番好きだな。