「裏山の奇人: 野にたゆたう博物学」小松貴(書評)

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)

裏山の奇人: 野にたゆたう博物学 (フィールドの生物学)

    特定のアリの周りには好蟻性生物といわれる様々な虫がいて、餌をくすねたりお裾分けされたり自分が喰われたりと複雑な生態系となっている…みたいなことが自宅の裏山を観察するだけで楽しめるぜ、というホンモノの昆虫博士によるレポート&自伝。

    地味な虫ばかりだが、蜂が蟻を恐がったり、蟻の行列に紛れるためそっくりに進化したカメムシがいたり、蟋蟀が蟻に顎クイしたりといったシーンを、彼らに対する愛情と執着と畏怖たっぷりに説明してくれる。

    こんな知識仕入れてどうすんのと自問しつつ読了。「蟻塚蟋蟀」も漢字で書けるようになった