「テロリストのパラソル」藤原伊織(書評)

新宿中央公園で起こった爆弾テロ事件。容疑者として追われるのは、訳あって本名を隠して生きてきた中年のバーテン。被害者の中には彼の過去に関係する人間が多数含まれており、それぞれがその場に居合わせた偶然と必然とがその過去とともに明らかにされていく…

昭和の香りをプンプンさせながら、アル中、学生運動、ホームレス社会、警察と暴力団の癒着、薬物等々盛りだくさんの要素を無理なく上手に盛り込んでて 読み応えあり。さすが江戸川乱歩賞直木賞ダブル受賞作品。