「ロボット兵士の戦争」P・W・シンガー(書評)

 

ロボット兵士の戦争

ロボット兵士の戦争

    兵器の無人化&ハイテク化についての考察。「最新兵器大百科」みたいな前半も読み応えあるが、それらが戦争のあり方をどのように変えどのような問題を孕むかを追う後半こそが本書の真髄。

「ゲーム感覚云々」程度は想定していたが、「兵器の無人化が米国本土への攻撃の動機付けになる」「戦地に行く者が減ることで開戦への世論の支持が得られやすくなる」「本土で無人機を操縦する者と戦地に行く者の間に溝ができる」等々(というかこんなのは序の口)、兵器の進化の影響範囲が広く複雑なことに驚くと同時に、整理してまとめあげた著者に感服。