「チャイルド44」トム・ロブスミス(書評)

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

二次大戦後間もないソ連スターリン体制下の国家保安庁でエリートコースを歩む主人公。部下の計略によって特権階級から引き摺り下ろされるが、追いやられた僻地の町で起こった殺人事件をきっかけにかつて自分が犯した過ちに気づき、それを正すため命がけの戦いを始める…


導入部の二つの小話でソ連の自然の厳しさと体制の異質さが読み手に強くインプットされ、その後の展開で味わう恐怖を上手い具合に増幅しやがりまくる。


そんな中にあっても、繰り返し強調される主人公の妻の美しさに妄想と**を膨らましたのは自分だけではあるまい。