「スクラップ・アンド・ビルド」羽田圭介(書評)

要介護の祖父に対し、何もかも手を貸してあげようとする孫と「自分のことは自分でやれ」と突き放す母親。それぞれ「早く安楽死させてあげたい」「早く死にやがれ」と、ともに祖父の死を望みながら正反対の接し方を続けるのだが…


息子の方が主人公で(おそらく作家本人も)少し歪んだ性格の持ち主。低学歴やニートであることを卑下しながらも周囲に対し唾を吐きまくるのだが、歪んだ動機から始めたとある習慣が最後の意外なエンディングに繋がってて、「火花」目当てで買った文藝春秋でのついで読みだったがまあ楽しめた。