「国鉄改革の真実―宮廷革命と啓蒙運動」葛西敬之(書評)

 

国鉄改革の真実―「宮廷革命」と「啓蒙運動」

国鉄改革の真実―「宮廷革命」と「啓蒙運動

 

 

    旧国鉄(現JR各社)の分割民営化の軌跡。著者はJR東海の現名誉会長で、国鉄時代は改革派として分割民営化を推進した人物の一人。

    労組とそれを支援する社会党、省益最優先の運輸省が抵抗したり横槍を入れたりするのを、著者を含めた優秀なチームを率いて当時の国鉄トップと総理大臣(当時中曽根)が強いリーダーシップで押しのけていくという勧善懲悪物語。悪役が分かりやすくて笑える。

    また、分割後の東日本と東海の戦略(当初の期待値も)の違いも興味深く読んだ。分割してなかったら新幹線の品川駅もリニアもなかったな多分。