「語られなかった敗者の国鉄改革」秋山謙祐

語られなかった敗者の国鉄改革

語られなかった敗者の国鉄改革

    国鉄の分割民営化を国労国鉄の中で最大の勢力を誇った労組で、最後まで抵抗を続けた)の立場から振り返ったもの。

    国労が何故そこまで力を持ち政治色を強め過激化していったのかを知りたかったのだが、そこはありきで話が進む。むしろ強大だった国労が崩壊していく過程、貧しかった著者が国鉄に職を得て成長していく過程が中心。加えて「政治家は新幹線でなく新幹線工事を求めている」の通り、癌は彼らだけではないとの主張に納得。

    先の「国鉄改革の真実」の著者葛西氏(要するに敵方)から書くことを勧められたとのエピソードも。