「女盗賊プーラン」プーラン・デヴィ(書評)

文庫 女盗賊プーラン 上 (草思社文庫)

文庫 女盗賊プーラン 上 (草思社文庫)

文庫 女盗賊プーラン 下 (草思社文庫)

文庫 女盗賊プーラン 下 (草思社文庫)

    インドの貧村で下層カーストに生れた少女。当然のように繰り返される暴力、いじめ、レイプに自分の運命を呪うが、盗賊団に誘拐されたのを転機に義賊としての新たな人生が始まる…

    実話、しかも比較的最近(約30年前)の話であることに何より驚く。独立時に廃止されたはずの身分制度は特に地方で慣習として根強く残り、後書きによれば著者の置かれていた境遇は特段珍しくはないらしい。

    また、同一人物が一つの物語でこれだけの回数レイプされるのをエロ小説含め読んだことがない。読んでて辛いが後半で度々悪を懲らしめるシーンは痛快。