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「鬼の詩」藤本義一(書評)

鬼の詩 (1974年)

鬼の詩 (1974年)

    藤本義一が映画監督、落語家、漫才師、三味線弾きをそれぞれ描いた短編集。又吉の「火花」に関連して紹介されてるのを見て読んでみた。

    昭和初期から30年辺りまでを舞台に昔気質の「芸」の世界が展開されるのだが、登場するのはどうにも面倒臭い輩ばかりで、いずれも「火花」の「師匠」の比ではない。特に三本目に登場する師匠が秀逸で、自分と弟子の其々の妻に対してかなり非常識なことを強要するのだが、弟子が死に際に放つ最後っ屁がこれまた強烈。

「火花」をディスるつもりは毛頭ないが、又吉はまだ新人なんだと強く思わせる筆力。