「女系の総督」藤田宜永(書評)

女系の総督

女系の総督

    妻を早くに亡くすも母、娘2人、姪、孫娘と女ばかりに囲まれて暮らす初老の男。関係の途絶えている長女、近所に住む口うるさい姉、離れて暮らす妹まで含めたそれぞれが抱えるありふれた不安や不満に対処しつつ、過去の不倫話や再婚相手候補まで登場し…

    震災以降の設定なのに、舞台が門前仲町だったり大家族だったり主人公が高齢だったりのせいで妙に昭和の香り漂うホノボノ作品。それでいて、ハラドキさせないでも最後まで一気読みさせる巧みな展開。

追伸:「叔母」と「伯母」をさりげなく使い分けてるのを俺は見逃さなかったよ。