「まんが医学の歴史」茨木保(書評)

 

まんが医学の歴史

まんが医学の歴史

 

 

    医学の発展の歴史を、医学系出版最大手の医学書院が漫画化。

    医学史上大きな転換点となった研究や発見について、主体となった人物だけでなくその弟子やライバル(別の章で主人公となることも)と絡めて描かれてて、その人間ドラマも楽しい。

    個人的に興味深かったのは、科学技術の進歩と関係ない所での気づきや決断が医療の発展に大きな役割を果してきたこと。施術前後の手洗の徹底で術後死亡率が大幅に下がったとか、想像の解剖図が長年信じられてきたのは宗教上解剖が避けられてたからとか、後世から見れば「さっさとやれよ」と思うんだが…