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「生麦事件」吉村昭(書評)

 

生麦事件

生麦事件

    イデオロギーのみで非現実的な尊皇攘夷に突っ走る長州と、当時としては現実的な公武合体を唱える薩摩。反目しあっていた両藩がそれぞれ欧米の列強と直接戦火を交え、彼我の実力差を思い知ることで互いに歩みよっていく幕末の6年あまりを描いたもの。

    幕末を扱った小説は多いが、本書のタイトルにもなってる生麦事件&それに起因する薩英戦争とか、下関事件&下関戦争とかを丁寧に追った作品は珍しい。

    ギリギリ小説の体裁はとっているものの、史実をできるだけ正確に細かく再現することに主眼を置いた作品なので、歴史好きでないと辛いかも。