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「長英逃亡」吉村昭(書評)

 

長英逃亡〈上〉 (新潮文庫)

長英逃亡〈上〉 (新潮文庫)

 

 

 

長英逃亡〈下〉 (新潮文庫)

長英逃亡〈下〉 (新潮文庫)

 

 

    いわゆる「幕末」の少し前、外国船の来訪が続く中で策もなく鎖国を続ける幕府に対する批判的な言論により囚われの身となった蘭学者高野長英。本作は、その後の脱獄と6年間の逃亡生活を描いた小説。

    追われる恐怖をベースにしつつ、支援者との交わり、逃亡中の幕藩体制の変更、家族や旧友との再会の中で揺れ動く長英の心情が丁寧に描写されている。「歴史そのものがドラマ」というのが作者の信条であり、史実を忠実に再現しているとのことだがまさにドラマ。