「名誉の殺人」アイシェ・ヨナル(書評)

名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち (朝日選書)

名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち (朝日選書)

    身内女性の不倫やレイプ被害に対して、家の名誉を守るためにその本人を殺害するというイスラムのしきたり「名誉の殺人」。

    家族の命を奪ってまで守らなければならないって自分の常識で考える限り全く理解できないが(そもそもレイプなんか被害者だし)、本書に登場する家族の殆どは明らかに本気で名誉を守りたがっていて(=殺したがっていて)、しきたりだとやむなく従っているのは少数派だ。

    更に驚かされるのは、取り上げられている事例のいくつかが比較的最近のものであり、実行犯である弟が俺よりも10年以上後の生まれのケースも。