「服従」ミシェル・ウェルベック(書評)

 

服従

服従

 

 

    2022年のフランスで、極右の台頭に対抗するように勢力を伸ばしてきたイスラム政党が左派と組んで政権を握る。一部では緩やかに一部では急速に国内のイスラム化が進み、その流れはいともたやすく国境を越えていく…

    同国の内情や米大統領選の候補者等を見てれば間違いなくタイムリーかつ面白い設定のはずなのに全体的にイマイチ。個人的には全く興味のないユイスマンス(知らなかった)他のフランス文学への考察が邪魔なのと、イスラム化が進むところの描写が拙速かつ淡白なのとが原因か。

    タイトルにも関係する衝撃的なラストはなかなか。