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「関東大震災」吉村昭(書評)

 

関東大震災 (文春文庫)

関東大震災 (文春文庫)

 

 

    関東大震災のいろいろ。
 
    二人の地震学者を主人公とした物語風に始まるが、次章からは被害の全体像から個別要因、二次的な災害や社会情勢の変化に至るまでを様々なデータや証言をもとに解説していく。
 
    地震よりも火事による被害が大きかったのは有名な話だが、避難者の運ぶ大量の家財が火勢を拡大させたとか、避難先のはずの工場跡地が丸々焼き尽くされたとか(死者3万人)、人災の側面がこれほど大きかったのかと嘆息。
 
    加えて、朝鮮人を巡るデマの背景、拡散の過程、何よりその結果の凄惨な事件の数々にかなりの頁数が割かれていて辛い。