「さかしま」梁石日(書評)

    ユイスマンス「さかしま」のついで読み。

    終戦直後の大阪を舞台にした連作短編2本同じような雰囲気の短編数本。

    誰もがその日を生きるのに精一杯の状況下、友情とか正義とか理性といったものは遠くに追いやられ、追いやらなかったものは者は追いやった者にこんな目に合わされるみたいな話で読むのが辛い。追い打ちをかけるように、焼き尽くされた街並みとか朝鮮人との諍いとか闇市とか野良犬とかリヤカーとかいったアイテム群がストーリー全般にばら撒かれていて読み手の気分をどんよりと沈ませてくれる。
    そろそろユイスマンス読むか…

さかしま

さかしま