「野坂昭如コレクション〈1〉ベトナム姐ちゃん」野坂昭如(書評)

野坂昭如コレクション〈1〉ベトナム姐ちゃん

野坂昭如コレクション〈1〉ベトナム姐ちゃん

エロ本、売春、ホモ、子作り(!)等々「性」に関する様々な題材を扱った野坂昭如の初期作品集。


美女が登場しないせいかあんまりエロくなく、高度経済成長期を舞台としているはずなのに薄汚くて湿っぽくて貧乏たらしく、それらを作為なく勢いだけで書いてる風なのに妙に文学的でなんとも言えない読後感を残す。


デビュー作の「初稿エロ事師たち」、表題にもある「ベトナム姐ちゃん」、新説?「マッチ売りの少女」等々どれも面白いが、雰囲気はどれも似たようなので全部読まなくてもよいかも。