「歴史とプロパガンダ」有馬哲夫(書評)

歴史とプロパガンダ

歴史とプロパガンダ

    主に米国が、戦争にプロパガンダをどのように利用してきたか、それを知った上で個々の史実をどう理解すべきかの考察。

    日本との開戦に反対する世論をどのように説得したか、占領下の日本国民に対しどのように自虐史観を押付け直接の加害者である自身への恨みを削いだか等々について、公開されている文献を丁寧に読み込んだ興味深い分析ばかり。

    このような国家資料がきちんと公開されているアメリカという国の懐の深さと、二次大戦中の大統領2人のいい加減さ(それが原爆投下と北方領土問題に繋がったとのこと)の対比が強く印象に残った。