「やくざと芸能と」なべおさみ(書評)

 なべおさみの自伝的交友録。彼が世話になったり影響を受けた「ホンモノ」のやくざ、芸能人、政治家について赤裸々に語る。

 やくざとの付き合いを堂々と書くこと自体がタブーへの挑戦であるはずが、自然な書きぶりのせいでイマイチ迫力に欠ける。ヤクザの皆様とそれだけ自然にお付き合いしてたってことか。また一番期待していた芸能界暴露ネタも、「ナベプロでは会社側の隠密としての役割を任されていた」割には物足りない。

 ただ、それぞれの分野の大物達と親密な関係にあったのは事実のようで、全盛期を知らず「不正入試に手を染めたケチな芸人」としか認識してなかったことを詫びたい。