「小説 新聞社販売局」幸田泉(書評)

半沢直樹風の勧善懲悪企業小説の体を装っているが、実体は元記者による業界批判&暴露本。


自社に批判的な記事を書いたことで上席に疎まれ販売局に放出という自身と全く同じ設定の主人公に、自身がなし得なかった社内不正の摘発や元上司への仕返しをさせて憂さ晴らしまくりで気持イイ。


しかし押し紙(販売店に対する割増仕入の強制)は実売の4〜5割増しに達し、当然に発行部数はその分上乗せして公表され(寧ろそれが目的)、支払が滞る販売店が増え、それを隠すために社員が立替え、そのカネの手当のために‥ともう完全に詰んでるな新聞。



小説 新聞社販売局

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