「王妃の館」浅田次郎(書評)

 

王妃の館〈上〉 (集英社文庫)

王妃の館〈上〉 (集英社文庫)

 

 

 

王妃の館〈下〉 (集英社文庫)

王妃の館〈下〉 (集英社文庫)

 

 

もとはルイ14世の愛人宅だったという格調高いパリの老舗ホテルに、倒産寸前の旅行代理店がマル金&マルビの二つのツアーをダブルブッキング。二組の客に一つの部屋を互いに気付かせずに利用させるために、真逆の性格の二人のツアコンが四苦八苦…

 

ツアコンだけでなくそれぞれのツアーの客も背景ありまくりで、おまけに当館が愛人宅だった頃より伝わる秘話まで絡まって(これだけでも一冊分の価値有)、とにかくひたすら騒々しくて楽しい。ただそれがアダになって、そこそこきれいにまとめたはずのエンディングが物足りなく感じるのが残念。